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テトラヒドロ無水フタル酸ICSC: 1372 (4月 2024)
THPA
CAS登録番号: 85-43-8
国連番号: 2698 (「注」参照)
EINECS番号: 201-605-4

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 可燃性。  空気中で粒子が細かく拡散して、爆発性の混合気体を生じる。  裸火禁止。  密閉系、粉塵防爆型電気設備および照明。 粉塵の堆積を防ぐ。  水噴霧、粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素を使用する。   

 あらゆる接触を避ける! 粉塵の拡散を防ぐ!  
  症状 予防 応急処置
吸入 咳。 咽頭痛。 喘鳴。 息切れ。  局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 医療機関に連絡する。 
皮膚 発赤。 灼熱感。  保護手袋。 保護衣。  応急処置を行うときは、保護手袋を着用する。 汚染された衣服を脱がせる。 少なくとも15分間、多量の水かシャワーで皮膚を洗い流す。 
充血。 痛み。 かすみ眼。 角膜損傷。  呼吸用保護具と併用して、安全ゴーグルまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 灼熱感。 腹痛。  作業中は飲食、喫煙をしない。  口をすすぐ。 吐かせない。 コップ1、2杯の水を飲ませる。 医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:自給式呼吸器付化学保護衣、顔面シールドおよび保護手袋
・湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる
・こぼれた物質を、ふた付きの容器内に掃き入れる
・残留分を、注意深く集める
・地域規則に従って保管・処理する
・この物質を環境中に放出してはならない
 

国連GHS判定基準に準拠

cancer;health hazcorr
注意喚起語:危険
吸入するとアレルギー、喘息または呼吸困難を起こすおそれ
アレルギー性皮膚炎を起こすおそれ
重篤な眼の損傷
水生生物に有害 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):8; 国連包装等級(UN Packing Group):III 

貯蔵
・食品や飼料および酸化剤から離しておく
・元の容器でのみ貯蔵
・乾燥
・密封
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する
 
包装
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない 
テトラヒドロ無水フタル酸 ICSC: 1372
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
白色の 結晶性粉末。 

物理的危険性
粉末や顆粒状で空気と混合すると、粉塵爆発の可能性がある。 

化学的危険性
高温面または炎と接触すると、分解する。 腐食性のフュームを生じる。 酸化剤と反応する。 水と反応する。 熱およびテトラヒドロフタル酸を生じる。 

化学式: C8H8O3 / C6H8(CO)2O
分子量: 152.2
・沸点:195℃ (6.7 kPa)
・融点:102℃
・密度:1.4 g/cm³
・水への溶解度(20℃) :29.4 g/l (反応する)
・蒸気圧:1 Pa (20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):5.3
・引火点:157℃ (o.c.)
・発火温度:450℃  


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:エアロゾルの吸入および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は、眼を重度に刺激する。 本物質は、皮膚および気道を刺激する。 

吸入の危険性
とくに粉末状の場合、拡散すると急速に、浮遊粒子が不快濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。 反復または長期の吸入により喘息を引き起こすことがある。 


許容濃度
 

環境
・水生生物に対して有害である
 

・固体状態のフタル酸無水物とテトラヒドロ無水フタル酸は、無水マレイン酸の存在が0.05%以下の条件下において、輸送に関する勧告に含まれない。
・喘息の症状は、2~3時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である
・この物質により、喘息の症状を示した者は、以後この物質に接触しないこと
・作業衣を家に持ち帰ってはならない 

付加情報
  欧州分類
 

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© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021