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メチル t-ブチルエーテルICSC: 1164 (11月 2000)
t-ブチルメチルエーテル
MTBE
CAS登録番号: 1634-04-4
国連番号: 2398
EINECS番号: 216-653-1

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 引火性が高い。  蒸気/空気の混合気体は、爆発性である。  裸火禁止、火花禁止、禁煙。 酸化剤との接触禁止。  密閉系、換気、防爆型電気設備および照明設備。 充填、取り出し、取り扱い時に圧縮空気を使用してはならない。  粉末消火薬剤、AFFF(水性膜泡消火薬剤)、泡消火薬剤、二酸化炭素を使用する。  火災時:水を噴霧して容器類を冷却する。 

   
  症状 予防 応急処置
吸入 嗜眠。 めまい。 頭痛。 脱力感。 意識喪失。  換気、局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 人工呼吸が必要なことがある。 医療機関に連絡する。 
皮膚 皮膚の乾燥。 発赤。  保護手袋。  汚染された衣服を脱がせる。 洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 
充血。  安全ゴーグルまたは顔面シールドを着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 腹痛。 吐き気。 嘔吐。 他の症状については、「吸入」参照。  作業中は飲食、喫煙をしない。  口をすすぐ。 水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。 吐かせない。 医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:空気中濃度に応じた有機ガスおよび蒸気用フィルター付マスク
・すべての発火源を取り除く
・漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める
・残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる
・地域規則に従って保管・処理する
・下水に流してはならない
 

国連GHS判定基準に準拠

 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):3; 国連包装等級(UN Packing Group):II 

貯蔵
・耐火設備
・強酸化剤および強酸から離しておく
 
包装
 
メチル t-ブチルエーテル ICSC: 1164
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
特徴的な臭気のある、無色の液体。 

物理的危険性
蒸気は空気より重く、地面に沿って移動して、遠距離発火の可能性がある。 

化学的危険性
強酸化剤と 激しく反応する。 火災の危険を生じる。 酸と接触すると、分解する。 

化学式: (CH3)3COCH3 / C5H12O
分子量: 88.2
・沸点:55℃
・融点:-109℃
・比重(水=1):0.7
・水への溶解度(20℃) :4.2 g/100 ml
・蒸気圧:27 kPa (20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):3.0
・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気=1):1.5
・引火点:-28℃ (c.c.)
・発火温度:375℃
・爆発限界:1.6-15.1 vol%(空気中)
・log Pow (オクタノール/水分配係数):1.06  


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:吸入および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は、皮膚を刺激する。 液体を飲み込むと、肺に吸い込んで化学性肺炎を起こすことがある。 許容濃度をはるかに超えて曝露すると、意識低下を引き起こすことがある。 

吸入の危険性
20℃で気化すると空気は汚染されて、 やや急速に、有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
 


許容濃度
TLV: 50 ppm (TWA); A3(動物実験では発がん性が確認されているが、人との関連は不明な物質).
MAK: 180 mg/m3;50 ppm; 発がん性カテゴリー: 3; 妊娠中のリスクグループ: C;.
EU-OEL: 183.5 mg/m3, 50 ppm (TWA); 367 mg/m3, 100 ppm (STEL); 

環境
・環境中に残存するので、環境中に放出しないように強く勧告する
 

・他のエーテルより過酸化物をはるかに生成しにくい 

付加情報
  欧州分類
記号:F, Xi; R:11-38; S:(2)-9-16-24 

ILO, WHOおよびEUは、翻訳の質や正確性、あるいは本翻訳版の使用に関して責任を負うものではない。
© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021