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ヘキサクロロシクロペンタジエンICSC: 1096 (10月 2005)
1,2,3,4,5,5-ヘキサクロロ-1,3-シクロペンタジエン
ペルクロロシクロペンタジエン
パークロロシクロペンタジエン
CAS登録番号: 77-47-4
国連番号: 2646
EINECS番号: 201-029-3

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 不燃性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。        周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。   

 あらゆる接触を避ける! いずれの場合も医師に相談! 
  症状 予防 応急処置
吸入 咳。 咽頭痛。 頭痛。 下痢。 めまい。 吐き気。 嘔吐。 息苦しさ。  換気、局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 半座位。 人工呼吸が必要なことがある。 医療機関に連絡する。 
皮膚 吸収される可能性あり! 発赤。 痛み。 皮膚熱傷。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 多量の水かシャワーで、皮膚を洗い流す。 医療機関に連絡する。 
充血。 痛み。 かすみ眼。 重度の熱傷。  呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 腹痛。 灼熱感。 ショック/虚脱。 他の症状については、「吸入」参照。  作業中は飲食、喫煙をしない。 食事前に手を洗う。  口をすすぐ。 吐かせない。 コップ1、2杯の水を飲ませる。 医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:自給式呼吸器付化学保護衣
・この物質を環境中に放出してはならない
・漏れた液やこぼれた液を、密閉式のプラスチック容器にできる限り集める
・残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):I 

貯蔵
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する
・乾燥
・密封
・床面に沿って換気
 
包装
 
ヘキサクロロシクロペンタジエン ICSC: 1096
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
刺激臭のある、油状 黄色~緑色の液体。 

物理的危険性
蒸気は空気より重い。 

化学的危険性
加熱すると、分解する。 塩化水素およびホスゲンを含む、有毒で腐食性のフュームを生じる。 湿った空気と反応する。 塩化水素(ICSC 0163 参照)を生じる。 水の存在下で、多くの金属を侵す。 引火性/爆発性ガス(水素-ICSC 0001 参照)を生じる。 

化学式: C5Cl6
分子量: 272.7
・沸点:239℃
・融点:-9℃
・比重(水=1):1.7
・水への溶解度(25℃) :0.2 g/100 ml
・蒸気圧:10.7 Pa (20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):9.4
・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気=1):1.00
・log Pow (オクタノール/水分配係数):4/5  


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:吸入、経皮および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は眼、皮膚および気道に対して、腐食性を示す。 経口摂取すると、腐食性を示す。 を吸入すると、肺水腫を引き起こすことがある。 「注」参照。 腎臓および肝臓に影響を与えることがある。 組織損傷を生じることがある。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 医学的な経過観察が必要である。 

吸入の危険性
20℃で気化すると空気は汚染されて、 やや急速に、有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
 


許容濃度
TLV: 0.01 ppm (TWA); A4(人における発がん性が分類できていない物質).
MAK 皮膚吸収 (H); 

環境
・水生生物に対して強い毒性がある
・魚類で、生物濃縮が起こることがある
・水生環境中で、長期にわたる影響を及ぼすことがある
 

・肺水腫の症状は 2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する
・したがって、安静と経過観察が不可欠である
・医師または医師が認定した者による、適切な吸入療法の、迅速な施行を検討する 

付加情報
  欧州分類
記号:T+, N; R:22-24-26-34-50/53; S:(1/2)-25-39-45-53-60-61 

ILO, WHOおよびEUは、翻訳の質や正確性、あるいは本翻訳版の使用に関して責任を負うものではない。
© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021