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ヘキサクロロブタジエンICSC: 0896 (8月 1997)
六塩化ブタジエン
CAS登録番号: 87-68-3
国連番号: 2279
EINECS番号: 201-765-5

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 可燃性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。    裸火禁止。    水噴霧、粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素を使用する。  火災時:水を噴霧して容器類を冷却する。 

 あらゆる接触を避ける!  
  症状 予防 応急処置
吸入 灼熱感。 咳。 咽頭痛。 症状は遅れて現われることがある。 「注」参照。  換気、局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 医療機関に連絡する。 
皮膚 吸収される可能性あり! 痛み。 発赤。 水疱。 皮膚熱傷。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 多量の水かシャワーで、皮膚を洗い流す。 医療機関に連絡する。 
痛み。 充血。 重度の熱傷。 視力喪失。  呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 灼熱感。 腹痛。 ショック/虚脱。  作業中は飲食、喫煙をしない。  口をすすぐ。 吐かせない。 コップ1、2杯の水を飲ませる。 医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:自給式呼吸器付完全保護衣
・この物質を環境中に放出してはならない
・漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める
・残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):III 

貯蔵
・食品や飼料から離しておく
・密封
・床面に沿って換気
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する
・消火により生じる流出物を収容するための用意
 
包装
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない
・重度の海洋汚染物質 
ヘキサクロロブタジエン ICSC: 0896
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
特徴的な臭気のある、無色の液体。 

物理的危険性
 

化学的危険性
燃焼すると、分解する。 塩化水素(ICSC 0163 参照)およびホスゲン(ICSC 0007 参照)を含む、有毒で腐食性のフュームを生じる。 ゴムおよびある種のプラスチックを侵す。 

化学式: C4Cl6 / CCl2=CClCCl=CCl2
分子量: 260.8
・沸点:212℃
・融点:-18℃
・比重(水=1):1.68
・水への溶解度 : 溶けない
・蒸気圧:20 Pa (20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):9.0
・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気=1):1.00
・引火点:90℃
・発火温度:610℃
・log Pow (オクタノール/水分配係数):4.90  


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:蒸気の吸入、経皮および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は、眼、皮膚および気道を刺激する。 液体は腐食性である。 腎臓に影響を与えることがある。 

吸入の危険性
20℃で気化すると空気は汚染されて、 やや急速に、有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。 人で遺伝子損傷を引き起こすことがある。 


許容濃度
TLV: 0.02 ppm (TWA); (皮膚); A3(動物実験では発がん性が確認されているが、人との関連は不明な物質).
MAK: 0.22 mg/m3;0.02 ppm; ピーク曝露限度カテゴリー: II(2); 皮膚吸収 (H); 発がん性カテゴリー: 4; 妊娠中のリスクグループ: C; 

環境
・水生生物に対して毒性がある
・魚類で、生物濃縮が起こることがある
・水生環境中で、長期にわたる影響を及ぼすことがある
 

 

付加情報
  欧州分類
 

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© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021