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トリクロロニトロメタンICSC: 0750 (11月 1998)
クロロピクリン
クロルピクリン
CAS登録番号: 76-06-2
国連番号: 1580
EINECS番号: 200-930-9

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 不燃性。 多くの反応により、火災や爆発を生じることがある。        周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。   

 作業環境管理を厳密に! いずれの場合も医師に相談! 
  症状 予防 応急処置
吸入 腹痛。 咳。 下痢。 めまい。 頭痛。 吐き気。 咽頭痛。 嘔吐。 脱力感。 症状は遅れて現われることがある。 「注」参照。  換気、局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 半座位。 医療機関に連絡する。 
皮膚 発赤。 痛み。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 医療機関に連絡する。 
充血。 痛み。 かすみ眼。  呼吸用保護具と併用して、安全眼鏡、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 「吸入」参照。
 
作業中は飲食、喫煙をしない。  口をすすぐ。 コップ1、2杯の水を飲ませる。 医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・危険区域から立ち退く!
・専門家に相談する!
・個人用保護具:自給式呼吸器付化学保護衣
・漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める
・残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):I 

貯蔵
・食品や飼料から離しておく
・「化学的危険性」参照
・冷却
・暗所に保管
・床面に沿って換気
 
包装
・破損しない包装
・破損しやすい包装のものは密閉式の破損しない容器に入れる
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない 
トリクロロニトロメタン ICSC: 0750
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
刺激臭のある、わずかに 油状 無色の液体。 

物理的危険性
蒸気は空気より重い。 

化学的危険性
加熱すると 衝撃を加えると爆発することがある。 加熱や光の影響下で、分解する。 塩化水素および窒素酸化物などの有毒なフュームを生じる。 アルコール性水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、臭化プロパルギルおよび熱アニリンと 激しく反応する。 

化学式: CCl3NO2
分子量: 164.4
・沸点:112℃
・融点:-64℃
・比重(水=1):1.7
・水への溶解度(25℃) :0.162 g/100 ml
・蒸気圧:2.7 kPa (20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):5.7
・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気=1):1.12
・log Pow (オクタノール/水分配係数):2.1  


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:蒸気の吸入および経口摂取。 

短期曝露の影響
催涙性。 本物質は、眼、皮膚および気道を重度に刺激する。 蒸気を吸入すると、肺水腫を引き起こすことがある。 「注」参照。 許容濃度を超えて曝露すると、死を引き起こすことがある。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 医学的な経過観察が必要である。 

吸入の危険性
20℃で気化すると空気は汚染されて、 きわめて急速に、有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
 


許容濃度
TLV: 0.1 ppm (TWA); A4(人における発がん性が分類できていない物質).
MAK: 0.68 mg/m3;0.1 ppm; ピーク曝露限度カテゴリー: I(1); 

環境
 

・曝露の程度によっては、定期検診を勧める
・肺水腫の症状は 2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する
・したがって、安静と経過観察が不可欠である
・医師または医師が認定した者による、適切な吸入療法の、迅速な施行を検討する
・許容濃度を超えても、臭気として十分に感じないので注意すること
・作業衣を家に持ち帰ってはならない 

付加情報
  欧州分類
記号:T+; R:22-26-36/37/38; S:(1/2)-36/37-38-45 

ILO, WHOおよびEUは、翻訳の質や正確性、あるいは本翻訳版の使用に関して責任を負うものではない。
© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021