« 検索結果一覧に戻る  
フェンチオンICSC: 0655 (10月 2006)
MPP
CAS登録番号: 55-38-9
国連番号: 3018
EINECS番号: 200-231-9

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 可燃性。 有機溶剤を含む液体製剤は、引火性のことがある。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。    裸火禁止。    水噴霧、泡消火薬剤、粉末消火薬剤、二酸化炭素を使用する。   

 ミストの発生を防ぐ! 作業環境管理を厳密に! いずれの場合も医師に相談! 
  症状 予防 応急処置
吸入 めまい。 吐き気。 嘔吐。 発汗。 縮瞳、筋痙攣、唾液分泌過剰。 息苦しさ。 痙攣。 意識喪失。  換気、局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 直ちに医療機関に連絡する。 
皮膚 吸収される可能性あり! 他の症状については、「吸入」参照。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 医療機関に連絡する。 応急処置を行うときは、保護手袋を着用する。 
かすみ眼。  呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 胃痙攣。 下痢。 吐き気。 嘔吐。 他の症状については、「吸入」参照。 縮瞳。 筋痙攣。 唾液分泌過剰。  作業中は飲食、喫煙をしない。 食事前に手を洗う。  口をすすぐ。 水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。 直ちに医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:化学保護衣、保護手袋および空気中濃度に応じた有機ガスおよび粒子用フィルター付マスク
・この物質を環境中に放出してはならない
・漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める
・残留液を、乾燥砂または不活性吸収剤に吸収させる
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

skull;toxiccancer;health hazenviro;aqua
注意喚起語:危険
飲み込むと、または皮膚に接触すると有毒
神経系の障害
水生生物に、非常に強い毒性 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):III 

貯蔵
・強酸化剤および食品や飼料から離しておく
・密封
・換気のよい部屋に保管
・消火により生じる流出物を収容するための用意
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する
 
包装
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない
・重度の海洋汚染物質 
フェンチオン ICSC: 0655
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
特徴的な臭気のある、無色の油状液体。 金属光沢のある、帯淡黄青銅色の塊状物。 

物理的危険性
 

化学的危険性
加熱すると、分解する。 リン酸化物およびイオウ酸化物などの有毒なフュームを生じる。 酸化剤と反応する。 

化学式: C10H15O3PS2 / (H3CO)2PSOC6H3(CH3)SCH3
分子量: 278.3
・加熱すると分解する
・融点:7.5℃
・比重(水=1):1.25
・水への溶解度(20℃) : 溶けない
・蒸気圧:ほとんどない (25℃)
・相対蒸気密度(空気=1):9.6
・引火点:170℃
・発火温度:365℃
・log Pow (オクタノール/水分配係数):3.17-4.8  


暴露・健康への影響

曝露経路
吸入、経皮および経口摂取により、有害量が体内に吸収される。 

短期曝露の影響
コリンエステラーゼ阻害。 神経系に影響を与えることがある。 痙攣および呼吸不全を生じることがある。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 医学的な経過観察が必要である。 

吸入の危険性
20℃で気化したとき、空気は汚染されても有害濃度に達しないか、達してもきわめて遅い; しかし、噴霧もしくは拡散すると、かなり急速に有害濃度に達する。 

長期または反復曝露の影響
コリンエステラーゼ阻害。 影響が蓄積される可能性がある。 「一次災害/急性症状」参照。 


許容濃度
TLV: 0.05 mg/m3 (TWA); (皮膚); A4(人における発がん性が分類できていない物質); BEI (生物学的曝露指標)記載あり;.
MAK: (吸引性画分): 0.2 mg/m3; ピーク曝露限度カテゴリー: II(2); 皮膚吸収 (H); 

環境
・水生生物に対して強い毒性がある
・通常の使用法でも、環境中へ放出される
・不適切な廃棄などによる、さらなる放出を避けるよう十分注意すること
 

・工業用(純度95~98%)は、わずかににんにく臭のある黄色~茶色の油である
・市販の製剤に用いられている溶剤が、この物質の物性および毒性を変化させることがある
・作業衣を家に持ち帰ってはならない
・曝露の程度によっては、定期検診を勧める
・この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要であるため、指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく 

付加情報
  欧州分類
記号:T, N; R:21/22-23-48/25-50/53-68; S:(1/2)-36/37-45-60-61 

ILO, WHOおよびEUは、翻訳の質や正確性、あるいは本翻訳版の使用に関して責任を負うものではない。
© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021