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フェニトロチオンICSC: 0622 (5月 2018)
CAS登録番号: 122-14-5
国連番号: 3018
EINECS番号: 204-524-2

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 可燃性。 有機溶剤を含む液体製剤は、引火性のことがある。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。    裸火禁止。    水噴霧、粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素を使用する。   

 ミストの発生を防ぐ! 青少年や小児への曝露を避ける! いずれの場合も医師に相談! 
  症状 予防 応急処置
吸入 縮瞳。 唾液分泌過剰。 流涙。 排尿。 下痢。 息切れ。 筋痙攣。 意識喪失。  換気、局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 半座位。 人工呼吸が必要なことがある。 直ちに医療機関に連絡する。 
皮膚 吸収される可能性あり! 発赤。 痛み。 他の症状については、「吸入」参照。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 医療機関に連絡する。 
充血。 痛み。 他の症状については、「吸入」参照。  呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 胃痙攣。 錯乱。 嘔吐。 脱力感。 他の症状については、「吸入」参照。  作業中は飲食、喫煙をしない。 食事前に手を洗う。  口をすすぐ。 直ちに医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:自給式呼吸器付化学保護衣
・残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる
・漏れた液を、ふた付きの容器に集める
・地域規則に従って保管・処理する
・下水に流してはならない
・この物質を環境中に放出してはならない
 

国連GHS判定基準に準拠

skull;toxicenviro;aqua
飲み込むと有害
皮膚に接触、または吸入すると有毒
長期的影響により、水生生物に非常に強い毒性 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):III 

貯蔵
・消火により生じる流出物を収容するための用意
・食品や飼料から離しておく
・換気のよい部屋に保管
 
包装
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない
・重度の海洋汚染物質 
フェニトロチオン ICSC: 0622
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
特徴的な臭気のある、茶色~黄色の液体。 

物理的危険性
 

化学的危険性
加熱や燃焼により、分解する。 窒素酸化物、リン酸化物およびイオウ酸化物などの有毒なフュームを生じる。 

化学式: C9H12NO5PS
分子量: 277.25
・140-145℃で分解する
・融点:0.3℃
・比重(水=1):1.3
・水への溶解度(20℃) : 溶けない
・蒸気圧:0.018 Pa (20℃)
・引火点:157℃
・log Pow (オクタノール/水分配係数):3.27  


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:エアロゾルの吸入、経皮および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は、眼および皮膚を刺激する。 神経系に影響を与えることがある。 痙攣、呼吸不全および死に至ることがあるを生じることがある。 コリンエステラーゼ阻害。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 医学的な経過観察が必要である。 

吸入の危険性
20℃で気化したとき、空気中で有害濃度に達する速度は不明である。 

長期または反復曝露の影響
コリンエステラーゼ阻害。 影響が蓄積される可能性がある。 「一次災害/急性症状」参照。 


許容濃度
 

環境
・水生生物に対して強い毒性がある
・水生環境中で、長期にわたる影響を及ぼすことがある
・魚類で、生物濃縮が起こることがある
・環境に有害な場合がある。甲殻類およびハチへの影響にとくに注意すること
・通常の使用法でも、環境中へ放出される
・不適切な廃棄などによる、さらなる放出を避けるよう十分注意すること
 

・この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要であるため、指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく
・市販の製剤に用いられている溶剤が、この物質の物性および毒性を変化させることがある
・作業衣を家に持ち帰ってはならない 

付加情報
  欧州分類
記号:Xn, N; R:22-50/53; S:(2)-60-61 

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© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021