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硫黄マスタードICSC: 0418 (4月 2005)
イペリット
マスタードガス
サルファーマスタード
1,1'-チオビス(2-クロロエタン)
ビス(2-クロロエチル)スルフィド
CAS登録番号: 505-60-2
国連番号: 2810

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 特定の条件下で可燃性。    裸火禁止。    周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。   

 あらゆる接触を避ける! いずれの場合も医師に相談! 
  症状 予防 応急処置
吸入 咳。 灼熱感。 咽頭痛。 息切れ。 息苦しさ。 症状は遅れて現われることがある。 「注」参照。  呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 半座位。 人工呼吸が必要なことがある。 口対口の人工呼吸禁止。 酸素処置が必要なことがある。 医療機関に連絡する。 
皮膚 吸収される可能性あり! 痛み。 発赤。 水疱。 重度の皮膚熱傷。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 応急処置を行うときは、保護手袋を着用する。 医療機関に連絡する。 
流涙。 充血。 痛み。 重度の熱傷。 視力喪失。  呼吸用保護具と併用して、安全ゴーグル、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 腹痛。 吐き気。 嘔吐。 灼熱感。 ショック/虚脱。 「吸入」参照。
 
食事前に手を洗う。 作業中は飲食、喫煙をしない。  吐かせない。 口対口の人工呼吸禁止。 酸素処置が必要なことがある。 医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・危険区域から立ち退く!
・専門家に相談する!
・個人用保護具:自給式呼吸器付完全保護衣
・この物質を環境中に放出してはならない
・漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める
・残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):I 

貯蔵
・水および食品や飼料から離しておく
・密封
・床面に沿って換気
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する
 
包装
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない 
硫黄マスタード ICSC: 0418
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
特徴的な臭気のある、無色~黄色の 油状液体、または結晶。 

物理的危険性
 

化学的危険性
加熱すると、分解する。 有毒なのフュームを生じる。 水と反応する。 金属類を侵す。 

化学式: C4H8Cl2S
分子量: 159.1
・沸点:216℃
・融点:13.5℃
・比重(水=1):1.27
・水への溶解度(25℃) :0.0068 g/100 ml (非常に溶けにくい)
・蒸気圧:9.33 Pa (20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):5.5
・引火点:105℃
・log Pow (オクタノール/水分配係数):1.37/2.41  


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:吸入、経皮および経口摂取。 

短期曝露の影響
発疱剤。 催涙性。 本物質は、眼、皮膚および気道を重度に刺激する。 を吸入すると、肺水腫を引き起こすことがある。 「注」参照。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 医学的な経過観察が必要である。 

吸入の危険性
20℃で気化すると空気は汚染されて、 きわめて急速に、有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
反復または長期の皮膚への接触により、皮膚炎を引き起こすことがある。 反復または長期のの吸入により、肺に影響を与えることがある。 眼に影響を与えることがある。 機能障害を生じることがある。 人で発がん性を示す。 


許容濃度
MAK: 皮膚吸収 (H); 発がん性カテゴリー: 1; 

環境
・環境中に残存するので、環境中に放出しないように強く勧告する
 

・作業衣を家に持ち帰ってはならない
・曝露の程度によっては、定期検診を勧める 

付加情報
  欧州分類
 

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© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021