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三酸化ヒ素ICSC: 0378 (11月 2008)
亜ヒ酸
三酸化二ヒ素
CAS登録番号: 1327-53-3
国連番号: 1561
EINECS番号: 215-481-4

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 不燃性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。        周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。   

 粉塵の拡散を防ぐ! あらゆる接触を避ける! いずれの場合も医師に相談! 
  症状 予防 応急処置
吸入 胸骨背部の灼熱感。 咳。 めまい。 頭痛。 息切れ。 咽頭痛。 脱力感。 「経口摂取」参照。 症状は遅れて現われることがある。 「注」参照。  密閉系および換気を使用する。  新鮮な空気、安静。 半座位。 医療機関に連絡する。 
皮膚 発赤。 痛み。 水疱。 皮膚熱傷。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 医療機関に連絡する。 
充血。 痛み。 熱傷。  粉末の場合には呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  多量の水で洗い流す(できればコンタクトレンズをはずす)。 直ちに医療機関に連絡する。 
経口摂取 口や喉の熱傷。 胃痙攣。 下痢。 吐き気。 嘔吐。 ショック/虚脱。  作業中は飲食、喫煙をしない。 食事前に手を洗う。  口をすすぐ。 吐かせない。 医療機関に連絡する。 「注」参照。 

漏洩物処理 分類・表示
・危険区域から立ち退く!
・専門家に相談する!
・個人用保護具:自給式呼吸器付完全保護衣
・この物質を環境中に放出してはならない
・こぼれた物質を、ふた付きの 密閉式、プラスチック容器内に掃き入れる
・湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる
・残留分を、注意深く集める
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

corrskull;toxiccancer;health haz
注意喚起語:危険
飲み込むと有毒
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
遺伝性疾患のおそれの疑い
発がんのおそれ
生殖能または胎児への、悪影響のおそれ
血液、中枢神経系および心血管系および肝臓の障害
呼吸器系への刺激のおそれ
長期または反復曝露による骨髄、中枢神経系、腎臓および肝臓障害
水生生物に、非常に強い毒性 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):II 

貯蔵
・消火により生じる流出物を収容するための用意
・可燃性物質、還元剤および食品や飼料から離しておく
・密封
・元の容器でのみ貯蔵
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する
 
包装
・破損しない包装
・破損しやすい包装のものは密閉式の破損しない容器に入れる
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない
・海洋汚染物質 
三酸化ヒ素 ICSC: 0378
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
白色 塊状物、または結晶性粉末。 

物理的危険性
 

化学的危険性
溶液は、弱酸である。 還元剤と反応する。 非常に有毒なガス(アルシン-ICSC 0222 参照)を生じる。 高温面または炎と接触すると、分解する。 有毒なヒ素酸化物のフュームを生じる。 金属と反応する。 火災や爆発の危険を生じる。 

化学式: As2O3
分子量: 197.8
・沸点:460℃
・昇華点:193℃
・融点:275-313℃
・比重(水=1):3.7-4.2
・水への溶解度(20℃) :1.2-3.7 g/100 ml  


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:エアロゾルの吸入および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は眼、皮膚および気道に対して、腐食性を示す。 経口摂取すると、腐食性を示す。 血管、心血管系、神経系および肝臓に影響を与えることがある。 を吸入すると、肺水腫を引き起こすことがある。 「注」参照。 曝露すると、死を引き起こすことがある。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 「注」参照。 医学的な経過観察が必要である。 

吸入の危険性
20℃ではほとんど気化しない。しかし浮遊粒子が急速に有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
反復または長期の皮膚への接触により、皮膚炎を引き起こすことがある。 骨髄(造血系の変化)、心血管系、中枢神経系、末梢神経系、腎臓および肝臓に影響を与えることがある。 貧血および機能障害を生じることがある。 人で発がん性を示す。 人で生殖・発生毒性を引き起こす。 


許容濃度
TLV: 0.01 mg/m3 (TWA); A1(人における発がん性が確認されている物質); BEI (生物学的曝露指標)記載あり;.
MAK: 皮膚吸収 (H); 発がん性カテゴリー: 1; 生殖細胞変異原性グループ: 3A;.
EU-OEL: (吸引性分画): 0.01 mg/m3 (TWA); (「注」参照); 

環境
・水生生物に対して強い毒性がある
・環境に有害な場合がある。鳥類、魚類および哺乳類への影響にとくに注意すること
・環境中に放出しないように、強く勧告する
 

・作業衣を家に持ち帰ってはならない
・物理的性質は物質の結晶状態による
・急性中毒症状は暴露後30分~1時間以内に出現するが、何時間か遅れることもある
・この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要であるため、指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく
・肺水腫の症状は、2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である
・呼吸困難や発熱した場合、医療機関に連絡する
・曝露の程度によっては、定期検診を勧める
・このカードに記載された勧告事項は三価の無機ヒ素化合物(亜ヒ酸塩)にも適用される
・銅製錬分野におけるEU-OEL値は2023年7月11日から適用される 

付加情報
  欧州分類
記号:T+, N; R:45-28-34-50/53; S:53-45-60-61; Note:E 

ILO, WHOおよびEUは、翻訳の質や正確性、あるいは本翻訳版の使用に関して責任を負うものではない。
© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021