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無水フタル酸ICSC: 0315 (4月 2024)
1,3-イソベンゾフランジオン
1,2-ベンゼンジカルボン酸無水物
CAS登録番号: 85-44-9
国連番号: 「注」参照
EINECS番号: 201-607-5

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 可燃性。  空気中で粒子が細かく拡散して、爆発性の混合気体を生じる。  裸火禁止。  密閉系、粉塵防爆型電気設備および照明。 粉塵の堆積を防ぐ。  水噴霧、泡消火薬剤、乾燥粉末消火剤、二酸化炭素を使用する。   

 あらゆる接触を避ける! 粉塵の拡散を防ぐ!  
  症状 予防 応急処置
吸入 咳。 咽頭痛。 喘鳴。 息切れ。  局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 医療機関に連絡する。 
皮膚 発赤。 痛み。  保護手袋。 保護衣。  応急処置を行うときは、保護手袋を着用する。 汚染された衣服を脱がせる。 少なくとも15分間、多量の水かシャワーで皮膚を洗い流す。 医療機関に連絡する。 
充血。 痛み。 角膜損傷。  呼吸用保護具と併用して、安全ゴーグルまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 灼熱感。 腹痛。  作業中は飲食、喫煙をしない。  口をすすぐ。 吐かせない。 コップ1、2杯の水を飲ませる。 医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:自給式呼吸器付化学保護衣、顔面シールドおよび保護手袋
・湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる
・こぼれた物質を、プラスックまたはガラス容器内に掃き入れる
・残留分を、注意深く集める
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

correxcl mark;warncancer;health haz
注意喚起語:危険
飲み込むと有害
皮膚刺激
呼吸器への刺激のおそれ
重篤な眼の損傷
アレルギー性皮膚炎を起こすおそれ
吸入するとアレルギー、喘息または呼吸困難を起こすおそれ 

輸送
国連分類
See Notes. 

貯蔵
・可燃性物質、還元剤、強酸化剤、強塩基、強酸および食品や飼料から離しておく
・「化学的危険性」参照
・床面に沿って換気
・乾燥
・密封
・元の容器でのみ貯蔵
 
包装
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない 
無水フタル酸 ICSC: 0315
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
特徴的な臭気のある、白色の 光沢のある結晶。 

物理的危険性
粉末や顆粒状で空気と混合すると、粉塵爆発の可能性がある。 

化学的危険性
熱水と接触すると、分解する。 フタル酸を生じる。 強酸化剤、強酸、強塩基および還元剤と反応する。 加熱すると酸化銅および亜硝酸ナトリウムと 激しく反応する。 爆発の危険を生じる。 水の存在下で、多くの金属を侵す。 

化学式: C8H4O3 / C6H4(CO)2O
分子量: 148.1
・沸点:284℃ (昇華する)
・融点:131℃
・密度:1.53 g/cm³
・水への溶解度(20℃) :6 g/l (反応する)
・蒸気圧:<0.3 Pa (20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):5.1
・引火点:152℃ (c.c.)
・発火温度:570℃
・爆発限界:1.7-10.4 vol%(空気中)
・log Pow (オクタノール/水分配係数):1.6  


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:エアロゾルの吸入および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は、眼、皮膚および気道を重度に刺激する。 

吸入の危険性
とくに粉末状の場合、拡散すると、浮遊粒子が急速に、有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。 反復または長期の吸入により喘息を引き起こすことがある。 「注」参照。 


許容濃度
TLV: 0.002 mg/m3 (TWA); 0.005 mg/m3 (STEL); (吸入性画分及び蒸気) 50 μg/100 cm2(許容濃度) (皮膚);.
TLV (皮膚感作物質); TLV (呼吸器感作性).
A4(人における発がん性が分類できていない物質).
MAK: 気道感作 (SA); 

環境
 

・溶融状態で輸送されることがある
・フタル酸無水物溶融は、発火点以上の温度下および無水マレイン酸の存在が0.05%以下の条件下において国連番号3256、有害性クラス3、梱包等級IIIに分類される。
・無水マレイン酸(0.05%以上)含有無水フタル酸の国連番号:2214、危険物分類:8、包装等級:III
・固体状態のフタル酸無水物とテトラヒドロ無水フタル酸は、無水マレイン酸の存在が0.05%以下の条件下において、輸送に関する勧告に含まれない。
・喘息の症状は、2~3時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である
・この物質により、喘息の症状を示した者は、以後この物質に接触しないこと
・作業衣を家に持ち帰ってはならない 

付加情報
  欧州分類
 

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© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021