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アジポニトリルICSC: 0211 (5月 2018)
CAS登録番号: 111-69-3
国連番号: 2205
EINECS番号: 203-896-3

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 可燃性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。    裸火禁止。    水噴霧、泡消火薬剤、粉末消火薬剤、二酸化炭素を使用する。  火災時:水を噴霧して容器類を冷却する。 

 作業環境管理を厳密に! いずれの場合も医師に相談! 
  症状 予防 応急処置
吸入 頭痛。 嘔吐。 めまい。 吐き気。 息苦しさ。 錯乱。 痙攣。  換気、局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 酸素処置が必要なことがある。 口対口の人工呼吸禁止。 直ちに医療機関に連絡する。 「注」参照。
 
皮膚 吸収される可能性あり! 発赤。 痛み。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 酸素処置が必要になることがある。 直ちに医療機関に連絡する。 「注」参照。 
充血。 かすみ眼。  顔面シールドを着用する。  数分間多量の水で洗い流す(できればコンタクトレンズをはずす)。 医療機関に連絡する。 
経口摂取 腹痛。 他の症状については、「吸入」参照。  作業中は飲食、喫煙をしない。 食事前に手を洗う。  口をすすぐ。 酸素処置が必要なことがある。 コップ1、2杯の水を飲ませる。 医療機関に連絡する。 「注」参照。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:自給式呼吸器付完全保護衣
・漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める
・残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

skull;toxiccancer;health haz
飲み込むと有毒
吸入すると有害
皮膚および眼刺激
臓器の障害のおそれ
長期または反復曝露による血液および臓器の障害のおそれ 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):III 

貯蔵
・強酸化剤、強酸および食品や飼料から離しておく
・床面に沿って換気
 
包装
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない 
アジポニトリル ICSC: 0211
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
無臭の 油状 無色の液体。 

物理的危険性
 

化学的危険性
加熱や燃焼により、分解する。 非常に有毒なシアン化水素(ICSC 0492 参照)を生じる。 強酸化剤と 激しく反応する。 強酸、強塩基および還元剤と反応する。 火災や爆発の危険を生じる。 

化学式: C6H8N2 / CN(CH2)4CN
分子量: 108.2
・沸点:295℃
・融点:1℃
・比重(水=1):0.97
・水への溶解度(20℃) :50-100 g/l (よく溶ける)
・蒸気圧:0.3 Pa (20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):3.7
・引火点:159℃ (c.c.)
・「注」参照
・発火温度:550℃
・爆発限界:1.7-4.9 vol%(空気中)
・log Pow (オクタノール/水分配係数):-0.32
・粘度:58 mPa/s (30℃) 


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:吸入、経皮および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は、眼および皮膚を刺激する。 曝露すると、痙攣、意識喪失および死を引き起こすことがある。 医学的な経過観察が必要である。 

吸入の危険性
20℃で気化したとき、空気は汚染されても有害濃度に達しないか、達してもきわめて遅い。 

長期または反復曝露の影響
血液および副腎に影響を与えることがある。 貧血および組織損傷を生じることがある。 


許容濃度
TLV: 2 ppm (TWA); (皮膚); 

環境
 

・この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要であるため、指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく
・ICSC 0492参照
・アジポニトリルの引火点は工業用では93℃(O.C.)である
・作業衣を家に持ち帰ってはならない 

付加情報
  欧州分類
 

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© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021