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硫酸ニッケル(II)ICSC: 0063 (4月 2017)
CAS登録番号: 7786-81-4
国連番号: 3077
EINECS番号: 232-104-9

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 不燃性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。    「化学的危険性」参照。
   
周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。  火災時:水を噴霧して容器類を冷却する。 

 粉塵の拡散を防ぐ! あらゆる接触を避ける!  
  症状 予防 応急処置
吸入 咳。 咽頭痛。  密閉系、または換気(粉末でない場合)を使用する。  新鮮な空気、安静。 医療機関に連絡する。 
皮膚 発赤。  保護手袋。 保護衣。  応急処置を行うときは、保護手袋を着用する。 汚染された衣服を脱がせる。 多量の水かシャワーで、皮膚を洗い流す。 
充血。  粉末の場合には呼吸用保護具と併用して、安全眼鏡、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 
経口摂取 腹痛。 めまい。 頭痛。 吐き気。 嘔吐。  作業中は飲食、喫煙をしない。  口をすすぐ。 コップ1、2杯の水を飲ませる。 医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・個人用保護具:空気中濃度に応じた粒子用フィルター付マスク
・この物質を環境中に放出してはならない
・こぼれた物質を、密閉式の容器内に集める
・湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる
・残留分を、注意深く集める
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

cancer;health hazexcl mark;warnenviro;aqua
注意喚起語:危険
飲み込むまたは吸入すると有害
皮膚刺激
吸入するとアレルギー、喘息または呼吸困難を起こすおそれ
アレルギー性皮膚炎を起こすおそれ
遺伝性疾患のおそれの疑い
吸入すると、がんを起こすおそれ
生殖能または胎児への、悪影響のおそれ
吸入長期または反復曝露による呼吸器系障害
長期的影響により、水生生物に非常に強い毒性 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):9; 国連包装等級(UN Packing Group):III 

貯蔵
・元の包装でのみ貯蔵
・酸化剤および食品や飼料から離しておく
・密封
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する
・消火により生じる流出物を収容するための用意
 
包装
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない 
硫酸ニッケル(II) ICSC: 0063
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
黄色~緑色の結晶。 

物理的危険性
 

化学的危険性
848℃で分解する。 有毒な三酸化イオウおよび一酸化ニッケルのフュームを生じる。 ICSC 0926参照。 ICSC 1202参照。 酸化剤と反応する。 火災や爆発の危険を生じる。 水溶液は、弱酸である。 

化学式: NiSO4
分子量: 154.8
・融点:融点は存在しない;848℃で分解する
・「注」参照
・密度:3.7 g/cm³
・水への溶解度(20℃) :29.3 g/100 ml (自在に溶ける) 


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:吸入、経口摂取および経皮。 

短期曝露の影響
本物質は、皮膚、眼および気道を刺激する。 

吸入の危険性
20℃ではほとんど気化しない。しかし拡散すると、浮遊粒子が急速に有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。 反復または長期の吸入により喘息を引き起こすことがある。 反復または長期のエアロゾルの吸入により、肺に影響を与えることがある。 副鼻腔に影響を与えることがある。 炎症および潰瘍を生じることがある。 吸入すると、人で発がん性を示す。 人で生殖・発生毒性を引き起こすことがある。 


許容濃度
TLV: (Niとして, 吸引性画分) 0.1 mg/m3 (TWA); A4(人における発がん性が分類できていない物質); BEI (生物学的曝露指標)記載あり;.
MAK: (吸引性画分): 気道および皮膚感作 (SAH); 発がん性カテゴリー: 1; 

環境
・水生生物に対して強い毒性がある
・水生環境中で、長期にわたる影響を及ぼすことがある
・環境中に放出しないように、強く勧告する
 

・結晶水を含む硫酸ニッケルは、330℃までに徐々に含有水分を放出する
・曝露の程度によっては、定期検診を勧める
・喘息の症状は、2~3時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である
・この物質により感作の症状を示した者は、以後ニッケル、ニッケル化合物、他の金属化合物(例えば銅、クロム、コバルト)に接触しないこと
・作業衣を家に持ち帰ってはならない
・汚染された衣服を、バッグまたは容器に入れ密閉し、隔離する
・このカードに記載された勧告事項は硫酸ニッケル六水和物(CAS番号10101-97-0)、七水和物(CAS番号10101-98-1)にも適用される 

付加情報
  欧州分類
記号:Xn, N; R:22-40-42/43-50/53; S:(2)-22-36/37-60-61 

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© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021