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エピクロロヒドリンICSC: 0043 (6月 2015)
1-クロロ-2,3-エポキシプロパン
γ-クロロプロピレンオキシド
2‐(クロロメチル)オキシラン
CAS登録番号: 106-89-8
国連番号: 2023
EINECS番号: 203-439-8

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 引火性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。  31℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがある。  裸火禁止、火花禁止、禁煙。  31℃以上では、密閉系、換気、および防爆型電気設備。  水噴霧、粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素を使用する。  火災時:水を噴霧して容器類を冷却する。 

 あらゆる接触を避ける! いずれの場合も医師に相談! 
  症状 予防 応急処置
吸入 咳。 咽頭痛。 灼熱感。 頭痛。 息苦しさ。 吐き気。 息切れ。 嘔吐。 振戦。 症状は遅れて現われることがある。 「注」参照。  換気、局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 半座位。 人工呼吸が必要なことがある。 直ちに医療機関に連絡する。 
皮膚 吸収される可能性あり! 発赤。 痛み。 灼熱感。 水疱。 重度の皮膚熱傷。  保護手袋。 保護衣。  応急処置を行うときは、保護手袋を着用する。 少なくとも15分間多量の水で洗い流した後、汚染された衣服を脱がせ、再度洗い流す。 衣服を密閉式の容器に入れる。 直ちに医療機関に連絡する。 
痛み。 充血。 視力喪失。 重度の熱傷。  呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  多量の水で洗い流す(できればコンタクトレンズをはずす)。 直ちに医療機関に連絡する。 
経口摂取 咽頭痛。 口や喉の熱傷。 頭痛。 吐き気。 嘔吐。 下痢。 ショック/虚脱。  作業中は飲食、喫煙をしない。 食事前に手を洗う。  口をすすぐ。 吐かせない。 直ちに医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・危険区域から立ち退く!
・専門家に相談する!
・個人用保護具:自給式呼吸器付化学保護衣
・この物質を環境中に放出してはならない
・下水に流してはならない
・漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める
・残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

flam;flameskull;toxiccorrcancer;health haz
注意喚起語:危険
引火性液体/蒸気
飲み込んだり、皮膚に接触または吸入すると有毒
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
アレルギー性皮膚炎を起こすおそれ
遺伝性疾患のおそれ
発がんのおそれ 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連の副次的危険性による分類(UN Subsidiary Risks):3; 国連包装等級(UN Packing Group):II 

貯蔵
・耐火設備
・強酸化剤、酸、塩基、アルミニウム、亜鉛、アミンおよび食品や飼料から離しておく
・密封
 
包装
・破損しない包装
・破損しやすい包装のものは密閉式の破損しない容器に入れる
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない 
エピクロロヒドリン ICSC: 0043
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
特徴的な臭気のある、無色の液体。 

物理的危険性
 

化学的危険性
加熱または強酸、塩基の影響下で、重合する。 燃焼すると、塩化水素(ICSC 0163 参照)および塩素(ICSC 0126 参照)の有毒で腐食性のガスを生成する。 強酸化剤と 激しく反応する。 アルミニウム、亜鉛、アルコール、フェノール類、アミン(とくにアニリン)および有機酸と 激しく反応する。 火災や爆発の危険を生じる。 水の存在下で、スチールを侵す。 

化学式: C3H5ClO
分子量: 92.5
・沸点:116℃
・融点:-48℃
・比重(水=1):1.2
・水への溶解度(20℃) :6 g/100 ml
・蒸気圧:1.6 kPa (20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):3.2
・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気=1):1.05
・引火点:31℃ (c.c.)
・発火温度:385℃
・爆発限界:3.8-21 vol%(空気中)
・log Pow (オクタノール/水分配係数):0.26  


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:吸入、経皮および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は眼、皮膚および気道に対して、腐食性を示す。 経口摂取すると、腐食性を示す。 蒸気を吸入すると、肺水腫を引き起こすことがある。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 医学的な経過観察が必要である。 「注」参照。 蒸気を吸入すると、喘息様反応を引き起こすことがある。 中枢神経系、腎臓および肝臓に影響を与えることがある。 痙攣、腎臓障害および肝機能障害を生じることがある。 高濃度で曝露すると、死を引き起こすことがある。 

吸入の危険性
20℃で気化すると空気は汚染されて、 きわめて急速に、有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。 腎臓、肝臓および肺に影響を与えることがある。 機能障害を生じることがある。 人の生殖細胞に、遺伝性の遺伝子損傷を引き起こすことがある。 人でおそらく発がん性を示す。 


許容濃度
TLV: 0.5 ppm (TWA); (皮膚); A3(動物実験では発がん性が確認されているが、人との関連は不明な物質).
MAK: 皮膚吸収 (H); 皮膚感作 (SH); 発がん性カテゴリー: 2; 生殖細胞変異原性グループ: 3B;.
EU-OEL: 1.9 mg/m3 (TWA); (皮膚); 

環境
・水生生物に対して有害である
 

・曝露の程度によっては、定期検診を勧める
・肺水腫の症状は、2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である
・医師または医師が認定した者による、適切な吸入療法の、迅速な施行を検討する
・許容濃度を超えても、臭気として十分に感じないので注意すること
・作業衣を家に持ち帰ってはならない 

付加情報
  欧州分類
記号:T; R:45-10-23/24/25-34-43; S:53-45; Note:E 

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© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021